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掛軸・古書画の修理

掛軸の修理こそ表具の真骨頂とも言われています。
巻いて保管出来るという便利さがある反面、保管や扱いには多少なりとも心得が必要です。また、作品の保存状態により痛みの度合いは様々です。
修理に際しては所蔵者の方と十分に打ち合わせを行い、修理方針を決めてゆきます。
後藤経装では先人からの伝統の技術を用い、丁寧に修理を致します。

様々な破損状況

破損状況 破損状況 破損状況

解説

この画像は本紙へ光の照らし方で見え方が変わります。下からの照射はあたかもレントゲン撮影の様であります。経年劣化した本紙は裏打ち紙と同色になり、オリジナルの本紙と区別する際に効果的です。以前手入れした補修痕も見てとれます。

本紙の横折れがある場合は【折れ伏せ】という作業を行います。和紙の繊維を折れ目にたすき掛けする方向で約2㎜~3㎜の細い巾でカットし、折れ目の中心に施してゆきます。この作業を怠ると仕上げ迄影響が出てくるので時間をかけて慎重に行います。

この様な状態になりますと裂地や裏打紙に力が全くありません。巻く度に本紙に亀裂を生じ、欠落してきます。早急な手当てが必要となってきます。

比較的本紙の健康状態が良い場合、薬品等を使用して染み抜きを行う場合があります。依頼者の方と十分協議し、可能と判断した場合、本紙を傷めない程度迄薄めて行います。

劣化の著しい本紙であった場合など、今後の予防策として【太巻芯】があります。軸に太い径の桐材を被せることで仕上げた掛軸の負担を和らげます。また、空気中の有害ガスや資料から発生するVOCsを吸着除去する不織布シートに巻く事で予防効果が期待でき、大切な作品の環境改善のご提案もさせていただきます。